自動車来店を期待する店舗の駐車場台数の考え方

店内席数と駐車場台数の考え方

いきなりで恐縮ですが、クイズです。

<問>合計30席ある横浜家系ラーメン店が、自動車来店を期待する場合、駐車場は何台必要だと思いますか?

店内の座席数と駐車場台数はバラバラに考えてはいけません。お客さんの自動車来店の比率が高い場合は尚更です。

極端な例で考えてみましょう。さらにクイズです。

<問>店内の座席数は同じ30席だったとして、次の業態で駐車場台数はそれぞれ何台くらい必要だと思いますか?

  1. 喫茶店
  2. 焼肉店
  3. ラーメン屋

このクイズを考えるときに考えるべきことは、お客さんの行動です。どのようにお客さんが店舗を利用するかということです。

漠然としていますか?では想像しやすい「来店するグループの人数」という観点で考えてみましょう。

皆さんが喫茶店、焼肉店、ラーメン屋に行く状況を想像してみてください。

喫茶店は1人か2人といった具合に、人数は少ない方が多いのではないでしょうか。あまり4-5人で利用する方は少ないと思われます。

しかし焼肉店の場合はいかがですか?恐らく3人以上という方が多いのではないでしょうか。1人で行かれる方はかなり少ないと思われます。

では、ラーメン屋はどうですか?これは1人でも行けるし、2人でも行けるし、4-5人のグループでも行けます。これはラーメン屋さんごとに標的とするお客さんをどのような人にするかによって異なります。

はじめのクイズに戻ります。私も家系ラーメンは大好きで月に2-3回はいただいていますが、家系ラーメンの来店人数は、強いて言えば喫茶店と焼肉屋のどちらに近いか?

ズバリ、喫茶店だと思います。

焼肉屋なみの人数でラーメン屋に行くとしたら、「餃子の王将」の系統のラーメン屋が好まれると思います。読者の皆さんはいかが思われますか?

以上の仮説が正しいとすると、喫茶店の来店するグループの人数の平均をざっくり1.5人とすると、

(駐車場台数)30÷1.5=20台

焼肉屋の場合、低めに見積もって3人として30÷3=10台。

要は来店するグループの人数と駐車場台数は反比例の関係にあるということです。

では、横浜家系ラーメン屋の場合は?来店するグループの人数の少ない喫茶店に近い駐車場台数を確保するべきという結論に至ります。

関連動画(店舗開発という仕事チャンネルより)

ロードサイド店舗の「駐車場台数」の考え方|店舗開発実務講座【開発用語解説】

ロードサイド店舗(郊外型・都市型)の駐車場台数を何台にすべきか?の考え方を、この道25年の講師が実務に即して簡潔にご説明します。

  • 00:00 ロードサイド店舗の開発における「駐車場台数」の重要性
  • 01:15 なるべく台数を多くすればいい、は正しいか?
  • 02:13 駐車場台数が多すぎる・少なすぎることによる弊害
  • 04:39 紋切り型の考え方で駐車場台数を決めるのは危険
  • 05:37 考慮すべきこと①ロードサイド物件のタイプ
  • 07:59 考慮すべきこと②グループ人数
  • 09:37 考慮すべきこと③店舗のキャパシティ
  • 11:47 店舗タイプ別“必要駐車場台数の多さ”ランキング
  • 14:30 練習問題:郊外型ロードサイド物件(焼肉屋)の場合