「Big Box」「Mini Box」とは?~企業によって出店方法が違う理由~

“Big Box Retailer”とは?“Mini Box Retailer”とは?
企業によって出店方法が異なる理由

日本には百貨店があるマーケットがあれば、全く無いマーケットもあります。同じ屋号の店舗が複数あるマーケットもあれば、一つしかなかったり、全くなかったりするマーケットもあります。また、コンビニエンスストアは、○○駅周辺などの局地的なマーケットに複数の店舗を出店しています。

なぜ企業によってこのような出店方法に違いがあるのでしょう?

これは、日本国内の市場をカバーする方法が企業により異なるためです。

百貨店は鉄道のターミナル駅に大型の店舗を構えることで広域から集客することを試みます。一店舗で広域の商圏をカバーすることができます。

一方、利用時の利便性が強く求められるコンビニエンスストアは、百貨店のように大型店舗を構えて広域から集客することは困難であり、潜在顧客が物理的に存在する地域に複数の小型店舗を出店することで、そのカバーしようとします。

このように店舗が大型か、小型かで出店の方法は大きく異なるのです。

前者は英語で“Big-box retailer”(大型、大箱の店舗の意)と呼ばれており、マーケティングの教科書にも登場する用語です。郊外型のショッピングセンターやホームセンター、アウトレットなど、売場面積を大きくすることで広域から顧客を吸引するタイプの店舗です。

それに対して後者は、定義づける用語がないため、“Mini-box retailer”(小型、小箱の店舗の意)と名付けたいと思います。店舗を大型化することにより広域から顧客を吸引することが困難なため、集客を他の施設等に依存せざるを得ない、あるいは、狭い商圏を深掘りするように売上を形成する必要がある店舗です。

ちなみに、外食産業や教育産業などのサービス業で、小型店舗を多数出展することで市場をカバーしようとする企業は“Mini-box service retailer”と名付けられています。関心のある方は(英文ですみませんが)私が書かせていただいた論文をご参照ください。